サクラサク

SAKURASAKU

開花

桜湯(桜茶)をはじめて飲んだのはいつ、どんなときでしたか?


桜湯は、桜の花の塩漬けに白湯を注いだ飲み物で、結納やひな祭りなどお祝いの事での

おもてなしとして出されることが多いようです。
私が桜湯に出会ったのは高校生の時、兄の結婚式の控室で出されたのが最初でした。
お湯の中でふわっと花開くピンク色の桜。湯呑を口元に持ってくるとほのかに桜の香り。
甘いのかな?と思って口に入れると塩味なことにビックリ。
しかも絶妙な塩加減。
視覚、嗅覚、味覚…初めての経験は何もかもが驚きでした。
「なんておいしい飲み物なの!」
今までその存在も知らなかった桜湯一杯で、新しい世界を知った日でした。

‐桜餅と聞いて思い浮かぶのは道明寺?長命寺?

桜餅とは、塩漬けの桜の葉を巻いた春を代表するお菓子の一つです。
その桜の葉が「何を」巻いているか、それが大きなポイントなのです。
もち米を使ったつぶつぶのお餅か、小麦粉を焼いたクレープ状の皮か。
私の育った地域では桜餅といえば前者のつぶつぶのお餅の方で、それ以外の桜餅が存在することなど思いもしなかったのです。
しかし、ある時、クレープ状の皮の桜餅がある事を知り、それは「長命寺」と呼ばれ、関東ではそれが一般的なのだと。
私が唯一無二と信じていた桜餅は関西で一般的とされる「道明寺」と呼ばれるものだったのです。
青天の霹靂でした。お菓子一つで大袈裟な…と思われるかもしれませんが、それほど大きい衝撃でした。
桜餅分布図なるものを探して見てみると、隣県は「長命寺」が主流もしくはどちらかというと「道明寺」だが両方存在するというところが多く、関西地区でもないのに「道明寺」一択という不思議な地域であることもわかりました。
初めて「長命寺」を食べた時に感じたのは、私の知っている桜餅とは違うけど、これもおいしい桜餅であるということでした。
相手を知り、己を知る。そして互いに認め、尊重する。これが相互理解。これが文化交流なのだと。
桜餅はここまで感じさせてくれる奥深いお菓子なのです。


‐桜の味は世界を架ける!?


桜の味は、「クマリン」と呼ばれる成分によって感じられるのだそうです。
その昔、あるカクテルバーで桜餅味のカクテルを出されたことがありますが、それはバイソングラス(スイートグラス)という「クマリン」の成分を含んだ葉を漬け込んだお酒で作られていました。
今は日本の酒造メーカーの桜の花と葉を漬け込んだリキュールが大変人気で、様々な洋酒との組み合わせを紹介されています。
シャンパン(フランス)、ジン(イギリス)、ウォッカ(ロシア)、バーボン(アメリカ)、アイリッシュウイスキー(アイルランド)…
日本は相手国に桜の木を贈る「桜外交」をしますが、食についても桜は国際交流にともて有効なのではないかなと思います。


Gallery RYOKUSUIDO の海外拠点であるアメリカ・ポートランドにも、セルビア・ベオグラードにも桜の名所がありますが、現地の人たちも桜を見ると「日本」を思い浮かべ、日本に思いを馳せるそうです。


桜には、新しい世界の扉を開け、文化交流のきっかけになる力があるのだと思います。
桜の季節を前に、そんな思いを新たにしました。